こわくない祭囃子

 何をするにも漠然とした不安が付き纏う。今日もやはりあまり上手く行かなかった。周りがどんどん前進していくのをみて苦しくなってしまう。自分は不器用なんだろうか、向いていないんだろうか、努力の方向を間違えているのだろうか。“もう描くのをやめようか”何度も頭をよぎったけれど、描くのをやめようとしても、描くことを考えてしまう。きっと描くことしか頭にないのだ。だから今はそれをやるしかない。

 

 アトリエのすぐ隣から、祭囃子が聞こえていた。普段の制作中は無音なので、とても新鮮だ。市長のスピーチやら何やらの一つ一つも音楽のようにきこえていた。

 

 インドにおいては、色の祭りというものがあるらしい。今日知ったことだった。

 

 そんなこんなで絵を描いて、一つ思ったのは、自分の中には“こわさ”があるということだった。つねに、こわい。なにかにたいして、あるいはすべてにたいして、おびえ続けている。こわいから、描いている。描けないことや描かないことはこわい。だからこそ、うまくかけない自分の今をこわがっている。